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誤解されがちな「原状回復義務」の意味

ここからは「敷金」をテーマに考えていきます。主となるのは、敷金を差し引かれないための努力と、敷金を取り戻すための努力です。まずは簡単に、敷金というお金がどう流れ、なにに使われるか、そのシステムを確認しておきましょう。敷金は、あなたが契約時に預けるお金で、入居中にあなたがつけた傷や汚れなどの修繕費が差し引かれ、退室時に戻してもらうものです。実に簡単です。あなたの責任でつけた傷や汚れは、あなたが支払う。家主は、借り手がどんな人物で、どんなキズをつけるかわからないわけですから、確実に回収できるように、退室してからではなく入居時に担保として一定額の敷金を預かっておく。それだけのことです。誰もがこのシステムを理解しているのであれば、トラブルは起こりません。が、実のところ、誰もこのシステムに従ってくれません。そのため、あらゆるところであらゆるトラブルが頻発しています。というよりも、家主の多くがこのシステムを利用して、あなたを含む借り手のお金を不当に差し引いているわけです。つまり、損をするのはあなたというわけです。次に、原状回復義務ということについても確認しておきましょう。原状回復義務とは、原状に回復する義務のことを指します。が、契約時にあなたが借りた状態とまったく同じに戻すという意味ではありません。部屋の借り手には、借りたものを注意して使うという「善管注意義務」と、借りたものを大切に使うという「保管義務」があります。この2つの義務を果たさなかった場合に生じた傷や汚れについては、原状に回復しなければならないということです。タバコを例に考えてみましょう。たとえば、カーペットにタバコの焦げ後を残してしまった場合。これはあなたの不注意ですから、保管義務違反となります(民法616条による同法601条の準用)。つまり、回復する費用はあなたが支払うというわけです。これが原状回復義務です(民法616条による同法597条1項・598条の準用)。これが、あなたと敷金の関係です。

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