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平安女性のお上品な姿勢

姿勢ということでいうと、平安貴族女性のそれは現代女性とはかなり違う。よく知られた例は、正座ではなく、片ひざを立て、もう片ひざはあぐらの格好で座っていたこと。男も女もこの格好で食事もした。韓国などではいまもこれが正式の食事作法と聞く。食事といえば、清少納言の『枕草子』には“はひぶし”というのも出てくる。清少納言ら、定子中宮の女房たちが梅雨のころ、ホトトギスの声を聞きに中宮の伯父の屋敷に出かけた。そこは京といっても田舎びていて、主人は「こういうところに来たからには」と、稲の脱穀作業の様子を見せてくれたり、中国風の食台にワラビを出してくれた。ところが清少紗言たちはホトトギスの歌を詠むのに夢中で、食事に見向きもしない。そこで主人は、「このワラビは私が自分で摘んだのです」と言って勧めたので、清少紗言は、「どうしてそんな、下級女官のように、ずらっと並んで食べたりなんか」と言って笑った。すると主人は言った。「それなら台から取っておろして召し上がれ。いつも“はひぶし”に慣れていらっしやる皆様方だから」。“はひぶし”とは這って伏すこと、つまり「腹這い」の意といい、ここから「上級女房たちは腹這いで食べていた」という説も生まれたが、最近では「気ままな腹這いの姿勢に慣れている人たちだから、食事も腹這いで召し上がれ」という意味であって、ふだんから腹這いで食べていたわけではないというのが通説だ。ところが大正時代、金子元臣という学者がこれは腹這いではなく、宮人独特の食べる姿勢であると異説を唱えた。具体的には、体を前方に屈し、ひじを座につけて、かがんだ姿勢で食べる。
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