オーストラリアには、東南アジアや中東から来た人たちも大勢います。そういった人たちは、「ベトナム英語」や「シンガポール英語」や「エジプト英語」をしゃべるわけです。もちろん、こちらは「ジャパニーズ英語」です。そういった場合、さぞコミュニケーションがたいへんだろうと思われそうですが、最初はまごつくものの、標準的な英語が頭の引きだしに入っていると、少し慣れればたいして困らなくなるのに、それほど時間はかかりません。いくら標準的な発音(これがどこの英語をさすのかということになると、いまひとつはっきりしませんが、ひとつの標準ではなく複数の標準があると考えるしかないでしょう)を習得しようと努力しても、日本人が中学生程度の英語からはじめて、まったくのない英語をしゃべることなど、なかなかできません。英語がうまいという日本人(二世、三世や帰国子女ではなく)の英語を、テレビやラジオで聞いていても、まったくネイティブと区別できないというところまで行っている英語を話す人はなかなかいません。そもそもアメリカ国内にだって、いろいろあるのです。日本に来ている外国人で、「日本語の達人」といわれる人は大勢います。彼らのほとんどは、大人になってから日本語を勉強した人たちです。たしかに、ちょっと誂っているけれど、それでなんら支障はないわけです。いいではありませんか。それと同じで、「ジャパニーズ英語」でも、立派にコミュニケーションができれば、それでいいではありませんか。英語が事実上の世界共通語になりつつある現在、好むと好まざるとにかかわらず、世界中でいろいろな英語が話されています。だからいないというのではありません。大事なのは、コミュニケーション能力であって、「発音」ではないのです。とはいっても、「だから発音はどうでもいいのだ」という考え方には、わざわざ外国語として学ぶ以上は、ある程度標準的とされている英語をめざしたほうがいいと思います。
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