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欧州における個室の設備

プライバシーの考え方が、日本と欧米では少し違っています。特にヨーロッパの場合は、個室というのは、本当に個室なのです。日本の場合は、個室といっても、襖だったり障子だったりするせいもあって、そこにずかずかと家族も他人も入ってくる。忠臣蔵の討ち入りを思い出せば分かるように、大門を破られると、あとは「吉良殿いずこ」と襖、障子蹴飛ばして赤穂の浪士が奥まで流れ入ってくる。入口が閉ざされているだけで、一旦入れば、あとは個室がない。

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だから吉良上野介は、炭小屋に逃げて隠れる以外になかったわけです。ところが、ヨーロッパの場合は、入口は破られても、どの部屋も全部個室だから、一つ一つその中に入っていくのは大変です。「我が秘密の生涯」などというヴィクトリア時代の猥本を読んでいると、ヴィクトリア朝時代の娼家などは、室内におまると洗面器が置いてあって、そこに食べ物と酒を持ち込むと、二日二晩女とこもっていられるというような描写があります。つまり、室内から一歩も出なくても、そこで顔を洗う、排泄する、メシを食う、酒を飲む、寝るということをやれるのが、ヨーロッパの個室です。